雑記502. 2023. 9. 5
“ 4果のマテバシイが結実 ”
 昨年の12月、有馬富士公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] でマテバシイの高次の多果(幼果)を見つけました(*)。その後、今年の4月下旬頃までは順調に育っていました(**)が、5月に入ってからほとんどの成長がストップしてしまいました(図8-502-1参照)。
  * 雑記480を参照願います。
** 雑記493を参照願います。

 
 これまで目撃してきた高次の多果は、例外なく不稔のまま枯死していたので、この時期に幼果の成長が止まったことについて特に落胆することはありませんでしたが、今回は前例を覆す喜ばしい事態が発生したのです。なんと、成長が停止したと思われた幼果の中に、たった1つだけですが結実したものがあったのです!

 無事に結実したのは4果で、その成長過程をトレースしたのが図8-502-2です。この図の果軸には4果が2つありますが、下側にある赤い矢印で表示したものに着目すると、4果を構成する4つの堅果のうちの1つが、6月下旬頃から徐々に大きくなって、9月頭には立派に結実したのが判ります。


 なぜか判りませんが、経験上、4果のマテバシイが結実するのはとても稀なケースだと思います。完全に熟すにはあと1〜2週間を要しますが、殻斗に堅果がくっついた状態(離層が形成される前の状態)で保存したかったので、撮影最終日に採取し、持ち帰って私の珍コレクションの仲間に加わってもらいました☆☆