雑記497. 2023. 6. 1
“ 普通の果軸になっちゃいました ”
昨年の秋、高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のウバメガシに咲いた奇妙な雌花序(*)に変化が見られました。
* 雑記476を参照願います。
4月中旬に観察した時には、開花時に4本あった長さ10mm前後の穂状の果軸の1本が脱落したものの、残留した果軸の雌花序には若干の成長が認められました(**)。ところが、それからおよそ一ヶ月が経過した5月の中頃になると、成長した雌花序の一部が果軸から脱落(図中矢印で表示)していました(図8-497-2参照)。
** 雑記492を参照願います。
さらに数日前に見た時には、3本あった雌花軸の2本が脱落し、残留した1本の果軸の先端付近に群がっていた微小な幼果も全て脱落していました。そんな訳で、最後まで残った1本の果軸は、現時点で春に開花した典型的なウバメガシの果軸とほとんど同じような姿になってしまったのです(図8-497-3参照)。
この果軸は、直接触れた限りではかなり強固に枝と一体化しているようなので、このさき短時日のうちに消滅することはないと思われます。因みに、この果軸に残された2つの幼果は、同じ個体で昨年の春に開花した幼果とサイズ的にはほとんど同じか、やや小さめでした(図8-497-4参照)。
コナラ属で秋に咲いた花が結実した事例は、私の知る限り皆無ですが、引き続きこの果軸の成長過程を注意深くトレースしていきます。