雑記482. 2023. 1. 7
“ 第3回 久米島ドングリ探検ツアー 前篇 ”
 先月の19日から2泊3日で、ドングリ仲間の飯田さんといっしょに、沖縄県の久米島へオキナワウラジロガシのドングリ探索に行ってきました。フライトの関係で14時半頃久米島に到着したので、初日は日没までの3時間ぐらいしか時間がとれませんでしたが、天候は快晴で申し分のない探索日和でした。

 実は、今回のツアーの日程は飯田さんのお仕事の都合で12月末までずれ込んだのですが、久米島では19日と20日の2日間だけが快晴で、その前後の2週間は連日悪天候が続いていました。ですから、少しでも日程がズレていたら、連日雨天の中での探索を余儀なくされていたところでした。『禍福は糾える縄のごとし』 と言いますが、今回は本当に飯田様様で快適なツアーを満喫できたことに、深く感謝しております。

 
 ということで、本格的な探索は翌日にして、初日は北部山岳地帯のだるま山に行って、ドングリの落下状況を確認してみることにしました。
 Kさんの情報に違わず、だるま山の山道の入口付近からかなり奥に入った所まで、山道に沿ってにたくさんのドングリが落ちていました。とりわけ、入口から数100m程奥にある山道から少し離れた水溜まりのある窪地の辺りには、足の踏み場もないぐらい大量のドングリが落ちていました(図8-482-3参照)。

 
 ドングリはどれも落ちて間もないものばかりで、堅果は白い微毛に覆われていました(図8-482-4参照)。南部の山岳地帯には、無毛の堅果を結実する個体もありますが、久米島では基本的に有毛な堅果を結実する個体が圧倒的多数を占めています。因みに、本土のウラジロガシは無毛の堅果を結実する個体がほとんどで、有毛のものは私の知る限り一体のみです
(*)。同じウラジロガシでも、本土のウラジロガシとオキナワウラジロガシとでは、果皮を覆う微毛について真逆の関係にあるようです。
* 雑記241を参照願います。

 さて、初日はおよその落下状況を確認しただけでしたが、山道の入口から少し入ったところで、ちょっと変わった形態のドングリを見つけました(図8-482-5参照)。オキナワウラジロガシのドングリも他の種類と同様に、縦長型や球型、卵型や宝珠のような形をした扁平型のものまで様々ですが、へそは平坦なものが普通です。ところが、この図のドングリはどれもへその真中が尖がった円錐形をしてたんです☆ 本土に分布するアカガシ亜属のドングリでも、稀にへそが尖がったものを目にしますが、オキナワウラジロガシのドングリにも同じようなへそが存在したんですね〜♪
 さらに、この日は短時間の探索にも関わらず、3つの個体から多果形態のドングリも採集しましたが、これについては次回雑記483で詳細をご報告致しますので、お楽しみに!