雑記471. 2022.10.14
“ 摂津伊丹廃寺跡のアベマキ その2 ”
 私の勤務先の近くにある緑ヶ丘公園と摂津伊丹廃寺跡 [ 所在地 : 兵庫県伊丹市 ] は、県内でも有数のアベマキのドングリの採集スポットです。

 2020年の9月から、これらで採集できるちょっと変わったアベマキのドングリを紹介するシリーズ
(*)を始めましたが、摂津伊丹廃寺跡では昨年大規模な樹木の剪定があり、ドングリが実らなかったこともあって、シリーズ開始早々休止せざるを得ませんでした。そんなわけで、今回が2回目になります。
* 摂津伊丹廃寺跡の第1回目は雑記402を参照願います。

 前回、紹介したドングリはアベマキにしては小粒で、扁平な形をしたドングリでしたが、今回はごく普通サイズの卵形のドングリです(図8-471-1参照)。

 但し、首回りの構造が特異で、肩から盛り上がった土饅頭のような土台の上に、細長いアンテナのような首が伸びています(図8-471-2参照)。20年以上前に初めてこのドングリを目にしてからしばらくの間は、アベマキの中でもかなり特異な首回りの構造だと思っていたのですが、その後探索エリアが拡張するに従って、京阪神でも数箇所で類似の形態のものが結実しているのを目撃しました。

 
 図8-471-3はこのドングリのディティールです。殻斗は内壁が筒状で典型的なアベマキの形態です。高所から落下しているにも関わらず、細長い首が残存しているドングリが多いです。脆弱そうに見えますが、意外に強固なのかもしれません。