雑記466. 2022. 9.20
“ てっきりコナラかと... ”
 先日、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] の雑木林で一体のミズナラを見つけました(図8-466-1参照)。同園には、京阪神の平地では珍しくミズナラが多数植栽されていますが、それらは遠目にもミズナラと判別できるものばかりでした。ところが、今回見つけた個体は、パッと見コナラとそっくりなので、注意して見なかったらミズナラとは気づかずに通り過ぎてしまうところでした。

 なぜなら、この個体の葉はミズナラとしてはかなり小さめで、典型的なコナラの葉と同じぐらいのサイズ(葉身〜100mm)であったこと、そして樹皮の形態もミズナラというよりコナラに近かったからです。ただ、近づいて葉をよく見ると、葉柄が短く、葉裏に毛がなかったことから、そこで初めてミズナラであることが判りました(図8-466-2参照)。

 
 他にもミズナラであることに気づかなかった理由として、樹上に結実したドングリが平均的なコナラのものよりも少しばかり大きい程度であったこと、堅果を包む殻斗が比較的浅めであったこと、さらに樹下に落ちている堅果のへそがコナラのようにとても小さかったことも挙げられます(図8-466-3参照)。

 
 コナラやナラガシワ、カシワ等と交雑しているミズナラには、経験的にコナラに近い樹皮のものが多く見られるので、この個体もたぶんそれらの樹種と交雑したものなのかもしれません。