雑記449. 2021.11.22
“ 小さなリンゴ ”
兵庫県神戸市の西神中央公園には、京阪神の他の公園や緑地では見られない珍しい形態のドングリや果軸をつける個体があります。今回紹介するツブラジイのドングリも、それらの中の1つです(図8-449-1参照)。
ツブラジイの堅果は、小さくて丸いものや水滴のような形をしたやや縦に長いものが一般的です(*)。ところが、この堅果は、高さ方向の中央よりも肩に近い部分の胴回りが太いものが多く、普通のもの(*)と比べると、上下が逆になったような形をしています(図8-449-2参照)。
* 雑記112に、様々な個体から採集したツブラジイのドングリの形態例があります。
さらに、首の周辺が平坦か、あるいはやや陥没したものが多いので、真横から見ると小さなリンゴのような形をしています(図8-449-3参照)。このような形態は、これまでかなりの数のツブラジイのドングリを観察してきましたが、この個体以外で目にしたことはありません。
因みに、種類を問わず首の周辺が陥没した堅果は、乾燥すると果皮に亀裂が入ったり、酷いものになると首が脱落してしまうこともありますが、このドングリについては、乾燥して時間が経っても顕著な劣化は認められません(図8-449-4参照)(**)。きれいに保存できるので、コレクターにとっては有難〜いドングリなんです♪♪
** この個体でも粃については、首の周辺の果皮に大きな亀裂が入ることがあります。