雑記446. 2021.11. 6
“ 実りのいいシラカシ ”
 京阪神では、10月の末頃から12月の頭にかけてシラカシが結実します。シラカシは、国産のコナラ属の中で最も花軸が長く、多いものはそこに20個以上の花が咲きます。ただ、たくさんの花が咲いても、そこに結実するのは3〜6個が普通です(図8-446-1参照)。

 それ以上の果軸になるとぐっと数が減りますが、それでも毎年シーズンになると、7〜8個が結実したものを目にすることがあります(図8-446-2参照)。

 シラカシの結実はだいたいこんな感じですが、昨年自宅から原付で15分程度のところにある鹿の子台 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] の街路樹で、10個も結実した果軸を見つけました(図8-446-3参照)。この個体は2〜3年に1度の割合で豊作を迎え、ちょうど昨年がその年でした。9個結実した果軸もいくつか見つけましたが、10個も結実したのはこの1本だけでした。そんなわけで、その時点ではこの果軸の結実量が最多だと思っていました。

 
 ところが、先日探索に出掛けた三田市民病院 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] の個体で、11個も結実した果軸を見つけたのです(図8-446-5参照)。この果軸を着けた個体については、以前殻斗が波打つ奇妙なドングリとしてこのHPで紹介しました
(*)が、当時は特異なドングリの形態にばかり目がいっていたので、それが結実した果軸にはほとんど着目していませんでした。

 今回、あらためてこの個体の結実した様子を観察してみると、ドングリだけでなく果軸そのものも特異で、まるでマテバシイの果軸のように太くて頑丈なものでした。さらに、この個体では全体的に結実数が多い果軸が目立ち、9〜10個が結実した果軸も樹上に散見されました(図8-446-6参照)。やはり、上には上があるんですね〜♪
* 雑記201を参照願います。また、殻斗がこのような形態になる理由については、雑記234で考察しています。