雑記441. 2021.10. 8
“ 転換はすでに始まっていた? ”
私は、二年成のドングリの樹がもつメリットと、太古から現在に至るまでの果実や果軸の形態の変遷に関する独自の調査結果を基に、二年成のドングリの樹が、将来的に一年成へと転換を遂げることを推測しました(*)。
現在、国産のドングリの樹では、アベマキに転換の兆候らしきものが認められますが、植物の変化に要するタイムスパンは非常に長いことから、私の残り少ない人生の中でその変化点を目撃するのはまず無理であろうと思っていました。ところが、例年開花したその年の半数以上の幼果が異常成長するアベマキの個体で、今年の春に開花したものの中から、昨年の春に開花したのとほぼ同じサイズにまで成長した果実が見つかったのです☆
* セクション31を参照願います。
場所は西神中央公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] で 、このHPでも度々異常成長した幼果について紹介してきた個体がそれです(**)。私自身は、自説ということもありますが、二年成から一年成への転換を確信しておりましたが、それでも現実にこれを目の当たりにした時の驚きは、本当に言葉では言い表せないほどのものでした(図8-441-1参照)。
** 直近では、雑記436を参照願います。
図8-441-2は、10月6日の時点で、昨年の春に開花した果実と図8-441-1の果実を対比したものです。前者は、例年9月中旬頃に結実して、10月上旬にはほとんどが熟して落下しますが、樹上に僅かに残留した前者の果実と比較すると、後者のサイズがほぼ同程度であることが判ります。ただ、後者の果実は樹上のかなり高所に結実していたので、下から見上げても殻斗が包含する堅果の存在は確認できませんでした。
そこで、この個体から少し離れたところにある傾斜面に登って、望遠レンズで出来る限り真横(***)からこの果実を撮影しようと試みたのですが、残念ながら堅果の存在までは確認できませんでした(図8-441-3参照)。
*** 真横からドングリを見て堅果が見えないのは、アベマキのような殻斗が深い果実ではごく普通のことです(図8-441-4の青丸で囲んだ果実を参照)。
この果実は、殻斗の鱗片の先端部分が茶色くなりかかっていたので、おそらくあと10日〜2週間で完熟するものと思われますが、このままでは堅果の存在がウヤムヤのまま終わってしまいます。この殻斗の中に、昨年の春に開花した果実と同等の堅果が包含されていることが確認できて初めて転換したと言えるので、どうにかしてこの果実をゲットしなければなりません。
自宅にある庭木剪定用の高枝切りバサミ(最大3m長)では、片手に持って背伸びしても全然ターゲットの果実には届きませんが、少しばかり樹に登って高枝切りバサミを使えば何とかなるかもしれません。ということで、近日中に必ずトライしてみます!