雑記044. 2011. 7. 9
“ これが多果ドングリの雌花です ”
 昨年からより深くドングリのことを知るために、近隣の公園や緑地にある樹を対象に、週に最低2回は花から果実へと成長していく姿を観察しています。
 今年はぜひ多果の雌花をこの目で確認したかったので、多果を発現しやすいシラカシを対象に深田公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] の個体をしらみつぶしに調査してみることにしました。

 多果の存在そのものが一般にあまり認知されていないので、それほど簡単には見つからないだろうと思っていたのですが、5月中旬から同園の個体の調査を開始した早々に、複数の個体で簡単に多果の雌花が見つかりました(図8-44-2参照)。

 深田公園には多果を発現しやすいシラカシが多く、今年開花した個体の半数以上で多果の雌花(2果と3果の割合はほぼ同程度)が見つかりました。しかも、これまでに数個〜10個ぐらいしか多果を結実したことがない個体にも、新枝1本につき少なくとも1〜2個の多果の雌花が咲いていました。もしも新枝の数だけ多果の雌花が存在するなら、樹木全体だと相当な数にのぼると思われます。

 開花してから結実するまでの間に、様々な要因によってそれらの大半が脱落してしまうことを考えると、わずか数個の多果を結実した個体でも、その元になる多果の雌花は少なくともその数10倍〜100倍ぐらいは咲いているのではないかと思われます。