雑記438. 2021. 9.19
“ 緑ヶ丘公園のアベマキ その2 ”
 京阪神で最高のアベマキのドングリ採集スポットと言えば、文句なしに服部緑地 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] が挙げられるでしょう。個体数もさることながら、それらが結実するドングリの多様性には只々圧倒されるばかりですが、私の勤務先のある兵庫県伊丹市にも、アベマキのドングリの多様性に関して、県下でも類をみない素晴らしい採集スポットがあります。それは、私が通勤途中にほぼ毎日のように訪れている緑ヶ丘公園です。

 昨年の9月から、『 緑ヶ丘公園のアベマキ 』 と題して、同園で採集できるちょっと変わったアベマキのドングリを紹介するシリーズ
(*)を始めましたが、今回はその2回目になります。
* 雑記398を参照願います。

 今回紹介するのは、大きな堅果から突出した猪首がフカフカの微毛に覆われたドングリです(図8-438-1参照)。首が太いアベマキのドングリなら他にもありますが、ただでさえ太めの首にフカフカした微毛が生えているだけで、堅果全体がとても立派に見えちゃうあたりが、ちょっぴりレアな逸品です☆。

 
 毎年9月の中旬に結実しますが、この個体はもともと生りが悪く、新枝にせいぜい1〜2個しか結実しません。その上、園内の池に面した急傾斜の土手に立地しているので、結実したドングリの大半が池に落ちてしまいます。ですから、例年ごく僅かしか収穫できないのです。因みに、この個体で今年採集できたほとんど無傷のドングリは、図8-438-2にあるものが全てでした。

 図8-438-3は、このドングリのディティールです。堅果は見るからに頑丈そうですが、見た目に違わず同種の中でも果皮が相当分厚いです。そのせいで、乾燥してもこの素晴らしい形態をそのまま綺麗に維持してくれるところが、ドングリ愛好家の私にとってはとても有難いです〜☆