雑記436. 2021. 9. 7
“ 容易には転換してくれません ”
 今年の春、1本の花軸に咲いた3つのアベマキの花が、二年成のルールを無視して成長する様子を雑記433で紹介しました(図8-436-1参照)。3つの花の中で一番最初にルールを無視した幼果Aについては、その形態を見る限り、昨年の春に咲いた幼果と比べて外観上のタイムラグは僅か1ヶ月程度だったので、そのまま順調に成長すれば、10月半ばには結実する可能性が十分ありました。

 先月末に確認した時点では、3つの幼果はそれぞれがルールを無視した時期の時間差を踏襲して、順調に成長していました(図8-436-2参照)。

 ところが、今月に入ってすぐに、結実の可能性が最も高かった幼果Aが枯死してしまいました(図8-436-3参照)。二年成のルールを無視する個体で、幼果の最終的な形態を見ると、ほとんどはこの図にある幼果BかCぐらいのサイズで、幼果Aと同じぐらいまで成長するものは全体の1割にも満たないのが現状です。残念な結果に終わってしまいましたが、私が予想している二年成から一年成への転換(*)は、そう簡単には進行しないのかもしれません。
* セクション31-2を参照願います。

 そんなわけで、この3つの幼果については結実の見込みが無くなってしまいましたが、この個体の樹上には幼果Aよりもさらに成長しているものがいくつか散見されました(図8-436-4参照)。引き続き、これらの動向を注視していきたいと思います。