雑記435. 2021. 9. 2
“ 合着した堅果ができあがるまで ”
 複数の堅果が合着したドングリ(図8-435-1参照)は、コナラ属(シラカシ)やシイ属(スダジイ)ではそれほど珍しいものではありませんが、マテバシイ属(特にマテバシイ)では稀少な存在です。ドングリを収集し始めた頃、合着したマテバシイのドングリを見つけたら、心の中で秘かに “ガッツポーズ” をしていましたが、20年以上経った今でも、運よくこれに遭遇できた時には思わずニンマリしてしまいます。

 さて、この珍しい形態のマテバシイのドングリについて、その元になる花から実を結ぶまでの成長過程を撮影するために、これまで幾度となくトライし続けてきました。ただ冒頭で申し上げた通り、この花を目にする機会が滅多にないことや、たとえ見つけても実を結んでくれなかったので、撮影を完遂することができませんでした。

 そんなわけで、着手してから十数年間は不発の連続でしたが、ようやく昨年の春に高塚山緑地のマテバシイで見つけた花が、今年の秋幸運にも実を結んでくれたのです♪しかも、1つではなく、同じ個体に2つも結実してくれました☆

  ここでは、それらの内の一方の雌花序が成熟するまでの過程をご紹介します(図8-435-2〜4参照)。


 せっかくですから、最後にもう片方の合着した花が結実したドングリy様子も紹介しておきます(図8-435-5参照)♪♪


(補記)
 図8-435-2の雌花序は、実は2つの雌花序が合着したものです。1つは、同図の上にある1つの殻斗の元に咲いた1つの雌花の雌花序。そしてもう1つは、同図の下にある1つの殻斗の元に咲いた2つの雌花の雌花序です。2つの雌花序は完全に合着していますが、各々の雌花序から出現した殻斗が合着していないのは、図8-435-3を見れば明らかです。