雑記431. 2021. 6. 26
“ 異なる殻斗が合着しました! ”
昨年、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] と高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のマテバシイから、合着した雌花序(*)が見つかりました(**)。
図8-431-1と図8-431-2は、いずれも1つの殻斗の元になる器官に3つの雌花が咲いた雌花序が2つ合着したものですが、単に雌花序同士が合着しているだけでなく、各々の雌花序から1つずつ供出された2つの雌花もいっしょに合着(2つの雌花が1つの花被/花床によって包含された状態)しています。
* ここで言う雌花序とは、殻斗の元になる器官に雌花が咲いた状態のものを意味します。
** 雑記388と雑記390を参照願います。
それからおよそ一年が経過して、これらの雌花序が成長した幼果が図8-431-3と図8-431-4です。各々の雌花序から供出された2つの合着した雌花を中心に、それぞれの雌花序から出現した殻斗がそれらを包み込むような形で合着しました。これらのデータから、合着した雌花序から出現した殻斗でも合着することが明らかになりました。
但し、今回紹介したのは極めて特殊な事例であって、これまでコナラ属で異なる雌花序が合着しても、そこから出現した殻斗が合着した事例が皆無(***)であるのと同様に、マテバシイ属においても異なる殻斗が合着することは、まずありません。次回は、上記以外の合着したマテバシイの雌花序の事例を基にそれを実証します。
*** 雑記393に、合着したシラカシの雌花序の例があります。