雑記042. 2011. 3.12
“ アラカシのドングリ達は、まだ頑張っています ”
 ドングリと言えば秋の風物詩ですが、種類によっては冬の終わり頃まで樹上を賑わせているものがあります。アラカシのドングリは、早いものだと、10月の中旬〜下旬頃に落下しますが、遅いものになると、3月の下旬〜4月頃になっても未だ樹上にあります。国内で見られるドングリの樹の中で、これだけ長期間に亘って樹上にドングリが残留する種類は、他に例を見ません。

 特に、私が住んでいる兵庫県三田市では、今時分でもドングリが鈴成りになっているアラカシをしばしば目にします。図8-42-2はその一例で、自宅から歩いて数分程度のところにある三田屋本店(焼肉チェーン店)の庭園内にあるアラカシです。

 ここに植栽されているアラカシは、全て12月中旬〜1月下旬頃にドングリが成熟します。ところが、それらの内の半数以上は、成熟しても直ぐにはドングリを落としません。1月下旬〜3月上旬に掛けての厳冬期でも、風が吹こうが雪が積もろうが、ドングリ達はひたすら樹上で耐え忍んでいます。
 3月になっても殻斗はまだ黄緑色をしてますし、その殻斗に包まれた堅果は、内部の水分がほとんど蒸発することもなく、成熟したばかりの頃の瑞々しい姿を保っています(図8-42-3参照)。ですが、ここまで頑張ってきたドングリ達も、残念ながら4月に新しい花が咲く頃には、全て姿を消してしまいます。

 今シーズンも、再びたくさんの実りをもたらしてくれることを、私は今から心待ちにしています。