雑記416. 2020.11.26
“ 8年ぶりに結実しました ”
 コナラ属には、樹種を問わず多果形態のドングリが存在します。とりわけ多果を大量に結実する個体が多いシラカシは、多果の形態の多様性を実感できる稀有な存在ですが、形態のバリエーションが豊富なのは何もシラカシに限ったことではありません。滅多にお目にかかれませんが、このHPで以前紹介した山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] のアラカシ(*)掖谷公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のウラジロガシ(**)で数年前に大量に結実した多果ドングリをご覧になれば、他の樹種でもシラカシと全く同じであることがお判りいただけるでしょう
  * 雑記323を参照願います。
** 雑記328を参照願います。


 さて、先日の事ですが、前述した掖谷公園のウラジロガシとは別の個体に、たくさんの多果が結実しました。実はこのウラジロガシ、今から8年前に私がウラジロガシで初めて多果の存在を確認した個体なんです(***)。それ以来、この個体で不定期に僅かばかりの多果の雌花や幼果を目撃してきましたが、それらが結実することは一度もありませんでした。
 *** セクション3-1-2 ウラジロガシの項を参照願います。
 ところが、今年の5月に樹上の高所にある数十箇所の枝に、たくさんの多果の幼果があるのを見つけたのです(図8-416-1参照)。これだけあれば、もしかすると少しは結実するかもしれないと期待していたら、思った以上にたくさんの多果が結実しました(図8-416-2参照)。


 2果よりも3果形態のものが多数を占めており、それらは8年前に目撃した時よりもはるかに形態のバリエーションが豊かでした。
今回採集した多果ドングリの中には、特筆すべき形態のものがいくつか目につきましたので、後日どんぐり美術館の展示品(****)としてあらためてご紹介します。お楽しみに♪
**** セクション18を参照願います。