雑記041. 2010.12. 3
“ ドングリ細工に挑戦! ”
 ドングリ人形を造っておられるMさんから、先月HPの読後感想メールを頂きました。どうもありがとうございました。私はドングリが大好きですが、採集したり構造を調べたりすることに興味があるものの、ドングリを活用して工作しようと思ったことは一度もありません。
 ただ、ドングリに興味をもつ前から造形が趣味で、クラフト粘土等を使って、これまでに色々なものを製作してきました。写実的な造形物には全く興味がないのですが、対象をかわいらしくデフォルメしたものには敏感に反応してしまう、ちょっと(...じゃなくて大分)変なオヤジなんです。

 Mさんの作品を見ている内に、ムラムラと製作意欲が湧いてきて、久しぶりに私も1つ拵えてみたくなりました。もう一月と経たない内に新年を迎えますから、題材にはお正月の飾りを選んで、下図のようなものを造ってみたのですが.....みなさんは、これが何か判りますか?

 正解は、ミニ門松で〜す♪図8-41-2に、愛猫ルーカスがこれと戯れている写真を掲載します。高さ:50mm、横幅:35mmの超ミニサイズです。自分で言うのも何ですが、設計段階で頭に描いていた以上にかわいく出来てしまいました。

 写真では、ルーカスの背中に載せて撮影しているので、彼(現在、8ヶ月の雄猫です)も気に入っているかのように見えますが、製作完了後に玄関の小さな道具棚の上に他の小物といっしょに並べておいたところ、前を通りがてらにそこの上に飛び乗って、ミニ門松だけを叩き落としてました。
 なぜだか判りませんが、とにかく自分のテリトリーに置かれている見慣れない小物体が気にくわなかったのでしょう。ルーカスに気に入ってもらえなくて、とても残念です。

 ここで、ミニ門松の構造について簡単に説明しておきます。使用材料は、マテバシイのドングリ、栃の実の殻、松葉の3種類(ドングリと松葉の固定に粘土を少々使用)で、全て植物素材です。設計段階では、通常の門松の前面にある梅や笹、幣束等を着けて、よりリアルに仕上げようかと思ったのですが、最終的に全ての装飾物を排除して、門松に最低必要な竹、松、菰台(菰は巻いてませんが...)のみのシンプルな構造に仕上げました。
 “ シンプル イズ ベスト!” ですね☆ こう言うと、如何にも考えた末にこの構造を選定したように聞こえますが、実はその他の付属品でこのサイズにマッチした植物素材が、この時期に見つからなかっただけなんです。

 因みに、製作に当たって、ナイフ等の刃物は一切使用していません。刃物でこれらの材料を切断すると、不定形に割れてしまい、思い通りの切断面が得られませんので、サンドペーパーで不用な部分を削り取るようして、所望の形に仕上げています。ドングリや栃の実は比較的柔らかい素材なので、少し粗めのサンドペーパー(粒度:100以下)で大雑把に削った後、最後に粒度の細かいもの(粒度:320以上)で切削面を面取りしてます。
 
 事前に材料さえ準備しておけば、それらを加工するだけなので、製作時間は僅か40分程度です。どうです? 簡単そうでしょ♪ 興味のある方は、下記のレシピを参考に試作してみて下さい。

(ミニ門松製作レシピ)

1. マテバシイのドングリの花柱側をテーパー形状に、そして反対のヘソ側を平らに削ります。前者が門松の竹の上方、後者が下方になります。

2. ドングリの両端部の果皮を削り終ったら、中身の種子を取り出して、ドングリの切削面をサンドペーパーできれいに面取りします。これで竹のパーツ作製は完了です。

3. 続いて、殻付きの栃の実(殻が割れていないものを使用)の枝側の部分から、全体の半分ぐらいの高さになるまでサンドペーパーで削り取ります。

4. 中身の種子を取り出して、殻の内壁と切削面の残留物をきれいに除去します。これで菰台のパーツ作製は完了です。

5. 松葉の先端部分を15mm程度に切断したものを数十本用意します。以上で全てのパーツが揃いました。

6. 最後に栃の実の殻に2/3程度の深さまで白い粘土
(*)を敷いて、そこに加工したドングリと松葉を差し込んだら完成です。

* 白い粘土は残雪をイメージしており、ドングリの上から覗き込むと、下にうっすらと白いものが見えるようにしてます。これは私の好みです。