雑記407. 2020.10.14
“ 野本寛一著 『 採集民俗論 』 ”
民俗学者の野本寛一氏の著作 『 採集民俗論 』 (10月20日発売予定)に、ドングリの写真を掲載していただきました。
昨年の7月、以前EPTA(エプタ)[ 文化情報誌 ] に掲載された記事(*)の編集を担当して下さった石川さんから、この本に掲載するのに必要な樹上に結実したドングリの写真を提供してほしいとの依頼がありました。
採集民俗論は、採集をとおした植物と人間との関わりについて著者の研究成果をまとめられたもので、700頁を超える大変な力作です。木の実以外に山菜やキノコ、海藻類等についても事細かく記載されていて、とても興味深い内容でした。
* 雑記243を参照願います。
私が提供した写真は、作品全体のおよそ1/3を占める第T章の木の実に関するところに掲載されています。木の実は、トチ、ナラ、カシ、シイ・マテバシイ、ブナ、クリ、クルミ、液果(ヤマブドウ・グミ・タブ)、ソテツの9つに分類されており、それらの中のナラ、カシ、シイ・マテバシイ、ブナの項が対象です。図8-407-2の上段は、カシの項に掲載された写真の例ですが、学術書なので写真は全てモノクロです。因みに、カシの頁の左側中段にあるアカガシの写真の原版が、右側の写真になります。
ところで、この図の下段にあるのはクルミの項ですが、みなさんもご存知の通り、クルミはドングリではありません。実は、石川さんから依頼のあったメールの木の実に関する項目を見たらクルミが含まれていたこと、そして野本氏があまり写真の撮影が得意でないとお聞きしていたので、余計なお世話かもしれませんでしたが、自宅の近くで容易に撮影できるオニグルミの写真も数点同封したところ、ドングリといっしょに採用された次第です。しかも、この図の写真とは異なるものが、表紙のカバー(図8-407-1 上段に並ぶ左側の写真)にまで掲載されていました(図8-407-3参照)。
石川さん、この度はいろいろとお気遣いいただき、ありがとうございました。私のまずい写真でよろしければ、ぜひまた活用してやって下さい。よろしくお願いします。