雑記402. 2020. 9.28
“ 摂津伊丹廃寺跡のアベマキ その1 ”
 今年の9月から、服部緑地 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] に匹敵するぐらいアベマキのドングリの多様性が豊かな緑ヶ丘公園 [ 所在地 : 兵庫県伊丹市 ] と摂津伊丹廃止寺跡 [ 同左 ] で採集したドングリを紹介するシリーズを始めました(*)。今回は、摂津伊丹廃寺跡のドングリです。
* 雑記398を参照願います。

 摂津伊丹廃寺跡は、緑ヶ丘公園から北へ200mほどの所にある、敷地面積が0.5haぐらいの小さなエリアですが、外周に沿ってアベマキとクヌギがたくさん植栽されています。この程度の規模のアベマキが植栽された所なら他にいくらでもありますが、ここの個体は他ではあまり見られない一風変わった形態のドングリを結実します。


 前回、緑ヶ丘公園の個体で紹介したドングリ(*)は、ちょっぴり扁平なクヌギのような形をしていましたが、摂津伊丹廃寺跡にはそれよりも一回り小粒でより扁平な形をしたドングリがあります(図8-402-4参照)。

 このドングリは、毎年9月の中旬から下旬にかけて結実しますが、今年はいつにも増して生りが良好でした。小粒なので大きなへそばかりが目立ちますが、ちっちゃな割に頑丈で、乾燥してもほとんど変形せずに可愛いらしい姿のまま保存できるところが、とってもいいんです♪♪

 殻斗は分厚く堅牢で、堅果全体を覆い尽くしているので、樹上を見上げても枝には殻斗の姿しか確認できません。そのせいか、このドングリについては、これまで虫食害されたものを見たことがありません。