雑記395. 2020. 9. 2
“ 交雑すると強くなるの? ”
 殺人的な猛暑日が続く中、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] にあるミズナラで結実前に葉枯れが生じています(図8-395-1参照)。今年の暑さは尋常ではありませんが、この個体の葉枯れは今年が初めてではありません。2016年の夏からほぼ毎年のように発生しており、ドングリがほとんど実らない状況が続いています。

 樹下には未熟なドングリがたくさん落下していました(図8-395-2参照)。辛うじて樹上に残留したものでも、果皮が裂けて種子が丸見えになった状態のものがほとんどでした(図8-395-3参照)。

 
 落下した幼果の中には、多果(2果)形態のものもありました。2つの堅果の内の一方は、およそ堅果とは思えない平べったいヘラのような形ですが、ミズナラではこのような形態のものをよく見かけます。他の単果と同様に、この多果も果皮が大きく裂けており、きれいな状態の多果を収集している私としては、残念でなりませんでした。

 ミズナラは寒冷な気候を好むので、関西方面では平地で植栽されている姿を目にすることは稀ですが、同園には珍しく10数体のミズナラが植栽されています(近年の強台風やナラ枯れによって、ここ数年減少傾向にあります)。但し、それらはカシワやコナラ等との交雑種と思われるものが多いです。

 因みに、図8-395-5はカシワとの交雑種と思われる個体を同じ日に撮影したものですが、図8-395-1の個体のような顕著な葉枯れは発生していません。他にもコナラとの交雑種と思われるものが複数体ありますが、それらについても同様です。園内の立地条件にもよると思われますが、ミズナラでも交雑すると相手方の形質によって、暑さに対する耐性のようなものが生まれたりするのでしょうか?