雑記393. 2020. 8.12
“ コナラ属では2例目ですが... ”
今年に入って、近接した2つのマテバシイの雌花序が合着(*)する様子を何度か目撃しました。一方、コナラ属では雌花序同士が密着するぐらい近接しても、なかなか合着するには至りませんでした(図8-393-1参照)。最近まで一年前にアラカシで目撃したのが合着した唯一の事例(**)でしたが、5月末に遂に合着した2例目となる雌花序がシラカシで見つかりました(図8-393-2参照)。
* 雑記387、388、390を参照願います。
** 雑記346を参照願います。
この個体では、同じ花軸にある近接した2つの2果の雌花序が合着していました。ただ、合着していると言っても、互いの殻斗の元になる器官が皮一枚で繋がっているような状態(図8-393-2 下段参照)で、一年前に見たアラカシと同様に、パッと見両者の殻斗の元になる器官から出現する殻斗同士が合着するとは思えない状況でした。
この雌花序を見つけてからほぼ半月毎に観察を続けてきましたが、案の定、殻斗の元になる器官から出現した殻斗同士が合着することはありませんでした(図8-393-3〜5参照)。
京阪神では、コナラ属の樹木はマテバシイ属よりも圧倒的に数が多いのに、このような事例を見つけ出すのが容易で無いことから、もしかするとコナラ属の雌花序(幼果)は “ 近接すれど合着せず ” なのかもしれません。ただ、結論づけるにはあまりにもデータの数が少ないので、ある程度納得できる事例が見つかるまでこれからも探索を続けていきます。