雑記390. 2020. 7. 9
“ 一つ脱落しました ”
先月、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] と高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のマテバシイで合着した2つの雌花序を見つけました(*)。前者は殻斗の元になる器官同士が合着したもの(図8-390-1参照)で、後者はそれに加えて、各々の雌花序から1つずつ供出された雌花同士までが合着していました。
このような事象は極めて稀にしか発生しないので、合着した2つの雌花序の殻斗同士が合着するか否かということに関して、今後これらの検体が重要な知見をもたらしてくれることを大いに期待しています。
* 雑記387、雑記388を参照願います。
ところが、先日山田池公園の検体を確認したところ、開花して間もないのに既に脱落しかかっていました(図8-390-2参照)。この検体は、花軸の上方にある雄花序とその下方にある雌花序の境界付近にあったので、花期が終了して雄花序が枯死した際に、合着した雌花序が咲いた花軸の一部が枯死したことによるものと思われます。
残念ながら、この検体は無かったものとして諦めざるを得なくなりましたが、幸運にも同園にある別の個体であらたに合着した2つの雌花序が見つかりました(図8-390-3参照)。これらの雌花序も、花軸の雄花序と雌花序の境界付近に位置していましたが、雄花序が枯死した後も辛うじて脱落を免れていました。しかもこの検体は、高塚山緑地で見つけたものと同様に、各々の雌花序から1つずつ供出された雌花も合着していたのです☆
一つ脱落して、あらたに一つ見つかったので、現段階で検体数は2つのままですが、高塚山緑地で見つけたものといっしょに、この検体も無事に成長してくれることを祈っています。