雑記039. 2010.11.22
“ 2年ぶりに帰ってきました 〜 アラカシの多果ドングリ 〜 ”
 ドングリのシーズンは終盤を迎えています。これから12月にかけて落下するドングリと言えば、アラカシ、シラカシ、イチイガシの3種に限定されますが、私はシーズンを通じて、11月中旬以降のドングリ採集が一番好きです。理由は、この時期になるとドングリに目を向ける人がほとんど居なくなりますので、ショバを荒らされる心配が無く、いつ何時に出掛けても思う存分ドングリと戯れることが出来るからです。
 但し、寒いのが難点ではありますが...。

 個人的な嗜好はさておき、これら3種類のドングリについて、京阪神地区で最もメジャーなのはアラカシです。大阪府大東市と寝屋川市に跨って位置する、敷地面積:30haの広大な深北緑地公園は、そんなアラカシが相当数植栽されており、なおかつ多様な形態のドングリが採集出来る、京阪神屈指のドングリゾーンです。
 21日の日曜日は絶好の小春日和でしたから、今がシーズン真っ只中のアラカシのドングリ達に会う為に、同園を訪れました。
 一昨年、ここに初めて来た時には、園内の至るところで大量のアラカシのドングリが落下していました。他では滅多に遭遇しないアラカシの多果ドングリ(*)についても、数え切れないアラカシの中のたった1本だけでしたが、2果のドングリが16個も結実しているのを発見しました。
 正に、アラカシのドングリなら何でも御座れ〜と言った感じですが、昨年は結実状況が極めて悪く、とりわけ特徴的な形態のドングリを結実する樹は、悉く不作でした。

 そんな訳で、実り具合に不安を懐きつつの再訪だったのですが、まるで昨年の状況がウソだったかのように、アラカシのドングリ達が再び帰ってきました。色鮮やかなドングリが其処かしこに落下しており、大きいものから小さいものまで、それらのバラエティな形状には本当に驚かされます(図8-39-2参照)。

 唯一多果ドングリを結実していた樹には、一昨年に見た時よりもたくさんのドングリが結実しており、目視で確認出来る範囲で、3個の多果ドングリを見つけました。
 その内の1個は、アラカシではこれまでに見たことが無い、3果のドングリでした(図8-39-4参照)。“ 多果ドングリをたくさん結実した実績のある樹は、後年再び同程度の数量のものを結実する ” という私の経験則を、今回も実証することが出来たようです。
 
 それにしても、アラカシとシラカシは外観上非常に似通った樹なのに、どうして前者では多果ドングリが発生しにくいのでしょうか。遺伝子レベルの解析で、その辺の事情を解明出来ないものでしょうかね。

* 一昨年に採集したアラカシの多果ドングリについては、セクション3-2-2を参照願います。