雑記388. 2020. 6.14
“ 雌花と雌花が合着! ”
 つい先日、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] にあるマテバシイで、殻斗の元になる器官に3つの雌花が咲いた2つの雌花序が合着した姿を目撃(*)したばかりですが、あらたに高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のマテバシイで、それよりもはっきりと合着していることがわかる2つの雌花序を見つけました。
* 雑記387を参照願います。

 これらの雌花序は、外観から合着しているのが明瞭で、おまけに各々の雌花序から1つずつ供出された雌花まで合着していました(図8-388-1参照)。
 1つの多果の雌花序において、そこに咲いた雌花同士が合着するのはよくあることですが、異なる多果の雌花序の雌花同士が合着する事象を目撃したのはこれが初めてです。
 雌花同士が合着(2つの雌花が同じ花被/花床で包まれた状態)しているということは、少なくともこれらが成長した堅果は1つの殻斗によって包含されるはずですから、隣接した異なる殻斗が互いに合着する可能性がこれで一気に高まりました☆

 これ以外にも、この個体には隣接した雌花序が合着したものが3つもありました。図8-388-2もその一つです。これを見ると、殻斗の元になる器官に2つの雌花が咲いた雌花序(2果)と3つの雌花が咲いた雌花序(3果)がきれいに合着しているのが判ります。

 この個体の雌花序は、普通のマテバシイのものに比べるとかなり大きめであることが特徴です。それゆえ、花軸全体の表面積における雌花序の占有面積の割合が高いことから、普通の個体よりも隣接する雌花序同士が合着しやすいのではないかと思われます(図8-388-3参照)。山田池公園で見つけたサンプルと併せて、今後これらの成長過程を入念にトレースしていきます♪