雑記038. 2010.11.20
“ 4つ子のドングリ発見! ”
 堅果がユニークに変形したドングリが多いのは、やはりウバメガシでしょう。私はウバメガシのドングリが激しく変形する理由について興味があり、昨年から色々と調査を続けています(*)。調査の過程で、11月上旬に服部緑地で採集してきたウバメガシの堅果を解体していたら、1個の堅果の中に4個の種子が入ったドングリが見つかりました。

 以前、このHPのリンク集にある “ どんぐり村 ” の管理人様から、アラカシの4つ子のドングリを見つけたとの知らせを受けて、あまりの珍品に興奮させられた記憶があるのですが、種類は違えども、まさか私自身が4つ子に遭遇するとは思ってもみませんでした。

 この堅果を切断してみると、確かに4つの種子が入っていました。“ 切断した時の衝撃で1つの種子が割れてしまったんとちゃうの?” と思われる方がいらっしゃりるかもしれませんが、切断面を見ると種子と種子の間に種皮があるので間違いなく4つ子のドングリです(図8-38-2参照)。

 ドングリ村の管理人様から、4つ子のドングリについて連絡を頂いた時、ドングリは既に芽生えた後でした。そんなわけで、出来ればドングリのままの状態で4個の種子が入っているところを見てみたいと思っていたら、思わぬところでその願いが叶いました。この出会いは、本当に “ ラッキ〜!” の一言に尽きます♪♪

 因みに、1個の堅果に入っている種子の数は、子房内に胚珠が合計6つあるので、最大6個ということになります(**)。今回は4つ子でしたが、まだまだ上には上がありますので、これからも探索を続けていきたいと思います。

(追記)
 その後、さらに採集してきたウバメガシの堅果を解体していたら、3つ子のドングリも見つかりました(図8-38-3参照)。服部緑地のウバメガシのドングリはみな子沢山のようで、採集してきた400個近くの中から双子が54個も見つかりました。

  * セクション3-2-3-3に、関連する記事があります。
** 花柱が3本ある3枚の心皮で構成された典型的な雌花は、子室が3つあるので、そこに包含される胚珠は最大で6個になります。しかしながら、コナラ属の雌花は実際のところ4枚以上の心皮で構成されたものも多いので、胚珠の数の上限は定かではありません。詳細は、雑記81〜雑記85を参照願います。