雑記339. 2019. 5.10
“ 蝶とクローバー ”
 関西方面で生垣樹の定番と言えば、それはウバメガシでしょう。人家や公園、緑地、そして道路脇等、ありとあらゆる場所でごく普通に目にすることができます(図8-339-1参照)。

 ウバメガシの葉は、国産のブナ科の植物の中で最も小さく、葉長は30mm前後のものが一般的です。典型的な葉は、鋸歯が小さく葉縁が裏側に反ります(図8-339-2参照)が、個体間だけでなく、同じ個体でも形態が大きく異なるのがウバメガシの特徴です。

 図8-339-3は、複数の個体から採集したウバメガシの葉です。葉身の形状は勿論の事、鋸歯が大きくて鋭いものや、葉縁が裏側でなく表側に反っているものなど、いつ見てもこれらのバラエティな姿には驚かされます。

 様々な形態の葉をつけるウバメガシの中でも、毎年のように決まって異様な葉をつける個体が塩瀬中央公園 [ 所在地 : 兵庫県西宮市 ] にあります。今年は蝶のような形をした葉(図8-339-4参照)と、クローバーのような形をした葉(図8-339-5参照)を見つけました☆ ハートの形をした葉なら、いろんな樹種で何度か目撃したことはあります(*)が、これだけ変形したものにはなかなかお目にかかれないのではないでしょうか?
* 雑記218の末尾に、マテバシイの葉の例があります。