雑記333. 2018.12.15
“ 冬なのに新緑 ”
先週末、神戸市西区にある緑地公園に今年最後のドングリ探索に行ってきました。最後と言っても、自宅から2時間以上かかるような遠方への探索が終了というだけで、1時間以内の近場の探索なら一年を通してやってます。
当日は西神中央駅周辺にある緑地公園を7箇所回りましたが、アラカシ以外のドングリはほとんど落下が終了していたので、主にドングリの木の観察に終始しました。
訪れた場所の多くで、スダジイやツブラジイの季節外れの開花現象が見られましたが、今回特に印象深かったのは、西神中央公園のアベマキに季節外れの新緑が見られたことです(図8-333-1参照)。同園にはかなりの数のアベマキが植栽されていますが、新緑が見られたのは10メートルと離れていない特定の場所にある2体だけでした。おそらく、ここ1ヶ月かそこらの間に二度伸びしたものと思われます。
二度伸びというのは、春から初秋にかけて二度、三度と繰り返し新しい枝葉が伸びる現象で、ドングリの木ではごく普通に見られます(図8-333-2参照)。シラカシやアラカシのような常緑樹では、秋の終わりが近づく頃まで二度伸びする個体をよく目にしますが、落葉樹はせいぜい9月頃までではないでしょうか。
アベマキとよく似たクヌギは、12月に入っても多少緑が残る葉をつけた木が散見されますが、アベマキは枯葉(もしくは黄葉)を少し残す程度で、ほとんどの個体は既に丸裸でした(*)。
しかも、今回目撃したものは葉が枯れ落ちる11月頃に二度伸びして、それが今なお樹上で活き活きと新緑しているから驚きです。通常1〜2月は遠方まで探索に出掛けることはないのですが、いつまで新緑しているのかちょっと興味が湧いてきましたので、年明け早々にもう一度様子を見てきます♪
* 種全体でみると、アベマキはクヌギよりも早く落葉します。おそらく、クヌギの方がアベマキよりも結実時期が遅い個体が多いからだと思います。因みに、アベマキの結実時期はだいたい9〜10月で、クヌギは9〜12月です。
(追記)
今年の元旦は、例年にない素晴らしい好天に恵まれました。そこで、年始早々新緑のその後の様子を確認してきました。図8-333-4は、3週間前に訪れた時に新緑が見られたアベマキですが、残念ながらこの寒さに耐えきれなかったようで、新緑は全て枯葉に変わっていました。
ところが、3週間前には新緑が見られなかった別の個体(アベマキ)で、あらたにこの時期のものとは思えないたくさんの新緑が見られました!しかも、新緑のある個体は全部で4体もありました。図8-333-5はそれらの内の1体で、樹全体にたくさんの新緑が見られたものです。
さらに、アベマキだけでなく3週間前には見られなかったコナラでも新緑が見られました(図8-333-6参照)。新緑のある枝は僅かでしたが、全部で7体もありました。コナラやアベマキのような落葉樹でも、ほとんどの葉が枯れ落ちる12月以降に二度伸びすることがあるんですね♪それにしても、この新緑はいつまで続くのでしょうか。