雑記327. 2018.11.22
“ これはデカい!ツブラジイのドングリ ”
 西神中央公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] には、枝垂桜の枝のような長い花軸にたくさんの花を咲かせる、とても珍しいツブラジイがあります。でも、同園のツブラジイで珍しいのはこの個体だけではありません。この個体のすぐ隣にも、実はちょっと珍しいツブラジイがあるんです。

 どういう点が珍しいかというと、ツブラジイにしてはドングリがかなりデカいということです。今年はその個体が豊作で、11月中旬に訪れた時には、今にも零れ落ちてきそうなぐらいドングリが樹上を賑わしていました(図8-327-1参照)。

 
 この個体に結実するドングリは、大きなものだと堅果を包む殻斗の横幅が16mmもあります。典型的なビー玉の直径が17mmですから、ちょうどそれと同じぐらいのサイズです(図8-327-2参照)。堅果だけだと幅は12〜13mm程度ですが、それでも普通のツブラジイのおよそ2倍に相当します(図8-327-3参照)。これは、私がこれまで採集してきたツブラジイのドングリの中でも堅果幅に関しては文句無しに最大級です☆


 余談になりますが、ツブラジイとスダジイは交雑しやすいことから、樹木の外観(樹皮や葉等)に両者の特徴を併せ持つ個体が数多く存在します。私は京阪神を中心に探索してきましたが、およそ1〜2割ぐらいの個体に、樹木の外観からは両者の区別が難しいものがありました。そういう個体は、本当ならどちらにも通用するシイノキと総称すべきなのかもしれませんが、それではちょっとつまらないですよね♪

 両者の区別が難しい個体をどちらか一方に分類する場合、私は曖昧さの多い葉の形態よりも樹皮の特徴(滑らかか、あるいは部分的に縦に割れる)を識別ポイントとして優先しています。ただ、それでもはっきりしない場合があるので、その時はドングリの形態的特徴
(*)も加味して両者を区別しています。これはあくまで私個人の判断基準ですので留意願います。
* セクション20-4を参照願います。