雑記325. 2018.11.15
“ クリに似たスダジイのドングリ ”
ツブラジイの堅果は全体的に丸くて、クリと似たような形をしたものが多く見られます。一方、スダジイの堅果は縦長のものが多いので、この形からクリを連想することはほとんどないかもしれません(図8-325-1参照)。ただ、スダジイにも少なからず寸胴なものがあり、へそが大きいからツブラジイよりもかえってクリに近い形をしたものに出会うことがあります。
今回は、そんなクリによく似た形のスダジイのドングリを3つ紹介します。
まず一つ目は、大阪市立大学附属植物園 [ 所在地 : 大阪府交野市 ] で採集したものです(図8-325-2参照)。胴から首にかけてのラインがやや鋭角的かもしれませんが、胴からへそに至る部分がいい具合に膨らんでいてクリっぽい感じがします。
今年は繰り返し来襲した台風の影響で、先日訪れた時には園内の8割ぐらいのエリアが立入禁止になっていましたが、このスダジイは該当するエリアから外れたところに立地しているので、今年もたくさんのドングリを採集することができました。
二つ目は、鶴見緑地公園 [ 所在地 : 大阪府大阪市/守口市 ] で採集したものです(図8-325-3参照)。大きなツブラジイと言ってもいいぐらい全体に丸みを帯びたドングリです。丸っこさにかけては、これに勝るスダジイのドングリにお目にかかったことがありません。しかも、スダジイ特有の大きなへそがより一層クリっぽさを演出しています。
そして三つ目は、高塚公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] で採集したものです(図8-325-4参照)。3つの中ではやや大きめで、堅果を真横から見てもはっきりと分かるぐらいへそが立派です。ツヤツヤしてあまり毛深くない果皮、そして全体的に丸みを帯びた滑らかなボディライン等、小さなクリと言ってもいいぐらいの絶妙な形で、私の一押しのドングリです〜♪
高塚公園では、だいたい隔年のペースでこのドングリが結実します。今年は結構生りがよくて、樹上のあちこちにドングリが群れをなしていました。中には、1本の果軸に20個近いドングリを結実しているものもありました(図8-325-5参照)。
掌に載せてマジマジと見つめると、その美しさと可愛さに思わずウットリです〜☆ これと同じ形のドングリが実る個体が、他にもきっとあるはずなんですが、現在のところココしか確認できておりません。何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご連絡頂けるとありがたいです。