雑記317. 2018.10.16
“  3果のブナ 再び ”
 3年前に、妙見山 [ 所在地 : 大阪府豊能郡能勢町 ] の山頂のブナ林で1つの殻斗が3つの堅果を包含したブナの3果のドングリを見つけました(*)。3つの堅果を包含したと言っても、その内の1つは極端に小さなものでした。 以来、最近まで堅果を3つ以上包含したブナのドングリを目にすることはありませんでしたが、先月森林植物園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] を訪れた時に、久しぶりに3果のドングリに出会うことができました。
 同園にはわずか数体しかブナが植栽されていませんし、どの個体もあまり結実状況はよろしくありません。にも関わらず、こういう稀有なドングリに出会えるなんて、ものすごくラッキーでした☆☆
* 雑記194を参照願います。

 しかもこのドングリは、3つの堅果が同じぐらいの大きさで、3果のドングリとしては完璧な形をしていました(図8-317-1参照)。そして、以前見つけた3果のドングリと同様に、第3の堅果の稜が接する部分の殻斗に切れ込みも見られました(図8-317-2参照)。

 これまで採集してきたブナの単果、2果、3果のドングリには、それぞれ殻斗の亀裂が3箇所、4箇所、5箇所ありました。それらは、いずれも殻斗の内側と堅果の稜が接する部分に該当していたことから、稜が接する部分で殻斗に亀裂が生じるのはブナのドングリの特徴と言えるかもしれません。