雑記314. 2018.10. 3
“  窪んでないものもあります ”

 マテバシイやシリブカガシのドングリは、へそが周囲の果皮よりも内側に窪んでいるのが一般的です(図8-314-1参照)。これは他の国産のドングリとは異なる、これらの種類に特有のものです。ただ、シリブカガシのへそはその名の由来通り、例外なく内側に窪んでいますが、マテバシイについてはときどき窪んでいないものに出会うことがあります。

 図8-313-2は、先日鶴見緑地にある複数のマテバシイから採集したドングリです。このようにスキャナーで撮影すると、へその状態がどうなっているのかよくわかりませんが、ドングリを手にもって普通のカメラで接写すると、個体によってはへそが果皮とツライチのもの(図8-313-3 左参照)もあれば、へその中央付近が周囲の果皮よりも盛り上がっているもの(図8-313-3 右参照)もあります(*)。このようにへそが窪んでいないマテバシイのドングリは、堅果幅に対してへその幅が占める割合が大きいものでよく見られます。
* セクション20-5の図20-5-4は、へそに窪みがないか、あるいはへそが盛り上がったサンプルのデータ(H値がゼロ、もしくはマイナスになるもの)は除外しています。

 へそが盛り上がったマテバシイのドングリの方が、他の種類のドングリのように全体的に丸みをおびているので、どちらかと言うと私はこちらの方が好みなんですが、みなさんはいかがでしょうか?些細な事かもしれませんが、ドングリを構成するパーツの1つをとってもそれらの形態は実に様々です。これから、まだ見ぬ不思議な形態のドングリに出会えるかもしれないと思うと、探索にも一層熱が入ります☆