雑記304. 2018. 7.12
“ カリフラワーみたいです♪ ”
 殻斗から果軸が出現する事象が確認(*)できたことで、私がこれまでに目撃してきたドングリに関する最も奇妙な物体の正体が明らかになりました。

 図8-304-1と図8-304-2は、高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のコナラで目撃した奇妙な物体の例です。この個体では、果軸と枝の機能が完全に分化していないので、普通の枝にも果軸と同様に花が咲くことがあります。これらの物体は、いずれも果軸ではなく枝に形成されたもので、ボコボコしたカリフラワーのような形をしています。
* 雑記303を参照願います。

 
 これまでは、単に珍妙な物体として片づけてきましたが、殻斗から果軸が出現する事象を考慮すれば、これらが殻斗の内側から出現した短い果軸に、隙間なくたくさんの幼果(堅果を包含するものとしないものが混在)が着いたものであることが判ります。
 また、以前に服部緑地 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] の特殊なコナラで目撃した、1つの殻斗から複数の幼果が溢れ出したような形態(**)についても、これらと同じようなものであることは敢えて説明するまでもないでしょう(図8-304-3参照)。
** 雑記160を参照願います。

 このHPの中で、私は多果ドングリを “ 殻斗の元になる器官に咲いた複数の雌花が結実したものである ” と定義しています。複数の雌花については、全て殻斗の元になる器官に直接開花したものを想定していましたが、殻斗の裾や殻斗から離れた堅果の表面、あるいは殻斗の内側にある小殻斗は、殻斗の元になる器官から出現した果軸に着いたものなので、私が想定したいた多果ドングリとは厳密な意味で異なります。ただ、両者とも1つの殻斗の元になる器官に咲いた雌花であることに変わりはないので、これらについても同じように多果ドングリの仲間として、これからも分類することにします。