雑記297. 2018. 5.18
“ 短いと見つけにくいです ”
 ドングリとは、殻斗の元になる器官に咲いた雌花(1個乃至複数個)が結実したものです。殻斗の元になる器官は花軸(果軸)に独立して存在(*)するもので、必ずしも雌花と対の関係にあるわけではありません。その証拠に、雌花が咲かなかった殻斗の元になる器官が花軸(果軸)に残存している姿をよく見かけます(図8-297-1参照)。
* セクション26を参照願います。

 昨年、樹種別に殻斗の元になる器官を紹介するために、セクション26の3項を新設しました。その後の調査で、殻斗の元になる器官は長い花軸(果軸)をもつ樹種ではしばしば目にしますが、短い花軸(果軸)だとなかなか見つけられないことが多いのに気づきました。
 コナラ属のアカガシ亜属については、どの樹種でも20〜30mm長の花軸(果軸)にたくさんの雌花を咲かせる個体が多いので、開花しなかった殻斗の元になる器官を探すのは比較的容易でした。図8-297-2は、今回見つけたツクバネガシの例です。

 一方、コナラ属でもコナラ亜属については、ミズナラやナラガシワのように極端に長い花軸をもつ個体が多い樹種は容易でした(図8-297-3参照)が、10mm前後の短い花軸(果軸)をもつクヌギやアベマキでは全く見つからず、同じ10mm前後の果軸でも軸当りの開花数が多い(**)ウバメガシで数個見つけるのがやっとでした(図8-297-4参照)。
** 同じ10mm前後の花軸でも軸当りの開花数についてみると、クヌギやアベマキが普通1〜2個なのに対して、ウバメガシは1〜4個です。

 
 あらたに見つけた殻斗の元になる器官については、後日セクション26の3項にまとめて紹介します。今回見つけることができなかった樹種についても、今後調査を継続するつもりです。