雑記292. 2017.12.12
“ 多様性を実感できる神社 ”
 雑記291に続いて、今回も貴志御霊神社 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] のツクバネガシの話です。前回訪問した時には、参道沿いや本殿周りの個体しか見ていなかったのですが、それから1週間が経って、今度は林の中をくまなく散策したところ、半数以上の個体でドングリの落下を確認しました。

 
 林の中には、スギ、ヒノキ、マツ等に混じって40体以上のツクバネガシが
植栽されています。参道沿いや本殿周りに植栽された個体では、地面に敷き詰められた砂利の上にドングリが落下するので、大なり小なり果皮にキズが入ってしまいます。一方、林の中の個体では、厚く積層した枯葉の上にドングリが落下するので、果皮にはほとんどキズがありません。ただ、ツクバネガシの花柱は細くて長いのが一般的であり、地面の状態によらず高所から落下した衝撃によってほとんどが欠損してしまうから、完全な形のドングリを得るのはなかなか難しいです。

 
 低木の枝をかき分け、そこら中に散乱する倒木を避けながら林の中を探索すること2時間余り。持参した数枚の袋がドングリで満杯になりました♪ 図8-292-3、4に掲載した堅果や殻斗は採集したドングリの一例ですが、これだけ見ても同社の
ツクバネガシのドングリが如何に多様であるかお分かりいただけるでしょう☆


(補足)
 貴志御霊神社で採集できるツクバネガシのドングリの中で、私の一番のお気に入りは図8-292-5にある毛むくじゃらのドングリです。典型的なツクバネガシの堅果は、首や肩の周りを除くと比較的ツルンとしているから、このように毛が密生したものは少数派です。

 このドングリは林の中ではなく、参道沿いにある個体に結実します。量の多少はありますが、ほぼ毎年コンスタントに採集できます。参道沿いにある個体のドングリは、砂利や堅い地面の上に落下するので、ただでさえ脆弱な花柱が残存していることは稀なんですが、このドングリだけ例外的に花柱がついた状態のものが多いんです。典型的なツクバネガシの花柱と違って、首から露出している部分がとても短いせいかもしれません。