雑記290. 2017.12. 1
“ タイミングが重要です ”
 飴玉のように丸くて大きなアラカシのドングリを見つけました(図8-290-1参照)。場所は、高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] の西側にある遊歩道です。そこには、道に沿って数10本のアラカシが植栽されていますが、立派なドングリを結実する個体が多い中でひと際目を引いたのがこれでした。

 
 11月12日に初めて目にした時、ドングリはまだ熟していませんでしたが、それから一週間が経った19日は、全体の2〜3割ぐらいの堅果が茶色く色づき始めていました。あと1〜2週間もすれば熟して採り頃になるだろうと思ったのですが、
とりあえずこの時点でいくつか採集しておくことにしました(図8-290-2参照)。

 それから、さらに一週間が経って、熟したドングリを採集しようと現地を訪れたところ、樹上にあるほとんどのドングリの果皮に大きな亀裂が入っていました(図8-290-3参照)。これまでの経験から、多種子のドングリ(*)が成熟すると果皮に亀裂が入りやすいことから、割れたドングリの中身を調べてみましたが、どれも種子は1つしか入っていませんでした。たぶん、このドングリは単に種子が肥大し過ぎたせいで、果皮が種子を包みきれなくなって亀裂が入ってしまったのでしょう。
* 雑記185を参照願います。

 図8-290-2のドングリを見ても判る通り、このドングリの堅果の幅は18〜19mmもあります。たぶん、アラカシでは最大級の太っちょドングリだと思います。もしも採集するのが一週間遅れていたら、まともなドングリが1つも得られなかったことを思うと、採集するタイミングがいかに重要であるかあらためて痛感しました。

 因みに、この太っちょドングリのように、完熟前から果皮に亀裂が入ってしまうものは、今回のように果皮が少し茶色く変色しかかった状態で採集し、その日の内に加熱処理
(**)することで、外観を損なうことなくきれいな形で保存することができます。
** 雑記289を参照願います。