雑記273. 2017. 9.23
“ カメラでとらえました! ”
 夏の終わりの8月下旬頃から、ドングリの樹の下に、枝付きのドングリが落ちているのをよく目にします。これは、長い口吻でドングリに穿孔して卵を産みつけるハイイロチョッキリの仕業です(図8-273-1参照)。ハイイロチョッキリは、他の仲間が同じドングリに産卵するのを防ぐために、自分が産卵したドングリを枝ごと切り落としてしまうそうです。

 

 
 枝ごと切り落とされたドングリで一番多く目にするのはコナラですが、クヌギ(図8-273-3参照)やミズナラの樹下にも同様のものが見られます。ハイイロチョッキリが切り落とした枝のドングリは、まだ成熟体のサイズに達しておらず、果皮が緑色のものばかりです。殻斗の上から穿孔するのは、殻斗に覆われた部分の果皮が、露出した部分よりも柔らかくて掘削しやすいからでしょう。


 これまで、幾度もハイイロチョッキリが産卵のためにドングリに穿孔している姿を目撃してきましたが、ほとんどは樹上で手が届かない高所だったり、たまに低所で作業していても、カメラを近づけるとすぐに飛び去ってしまうので、全然撮影できませんでした(*)
 ところが、今年は幸運にも樹上で手が届く範囲の枝にいたハイイロチョッキリが、逃走することなくその場で断続的に作業してくれたおかげで、ようやく写真に収めることに成功しました☆
* これまで、このHP内で紹介してきた写真は、全て樹液を吸うために小さな幼果に穿孔しているハイイロチョッキリのものです。

 ハイイロチョッキリは、私の手がギリギリ届く枝で穿孔作業していたので、枝をゆっくりと引きずり降ろして、片手で枝を固定しながら撮影しました。そんなわけで、撮影の自由度は極端に制限されてしまいましたが、被写体のピントだけはバッチリでした。(図8-273-4参照)。
 ハイイロチョッキリは、殻斗の上から堅果の内部まで貫通孔をあけなければならないので、作業も終盤になると、ドングリに口吻の根元まで差し込んで、殻斗に顔面を擦りつけるようにして掘削していました(図8-273-5参照)。

 ハイイロチョッキリが落ち着いて作業を続けていてくれれば、撮影はもっと楽だったんですが、カメラのシャッターの音が鳴る度にドングリから口吻を抜いて、こちらに尻を向けた状態で作業を中断してしまうので、撮影は遅々として進みませんでした(図8-273-6参照)。尻を向けると10分ぐらいはそのままの状態なので、私もその場を離れて、しばらくしてからまた戻ってきて枝を下して撮影するというのを1時間半ぐらい繰り返していました。結局、最後に戻ってきた時には、穿孔したドングリを放置したまま、枝を切り落とさずにどこかに消え去っていました。

 作業を途中で放棄させてしまって、ちょっと申し訳ない気がしましたが、滅多に遭遇する機会がなかった産卵のための穿孔作業の撮影に協力してくれたことに心から感謝しております。