雑記259. 2017. 7. 6
“ 珍奇なアベマキの果軸のその後 ”
昨年の5月、3個の幼果をつけたアベマキの果軸を見つけました(図8-259-1参照)。アベマキは、京阪神の公園や雑木林を構成する主要なドングリの樹で、自宅周辺 [ 兵庫県三田市 ] にも数多く植栽されています。
私の一番好きなドングリの樹ということもあって、これまで手が届く範囲の枝についた果軸は隈なくチェックしてきましたが、10mmに満たない短い果軸にせいぜい2個しか目にしたことが無かったので、3個もついた果軸があるなんて思ってもみませんでした(*)。
* 詳細は、雑記209を参照願います。
初めて目撃してから今年の3月頃までは、図8-259-2のような状態でほとんどが無事でしたが、4月に入ってから果軸ごと脱落したり、一部の幼果が枯死したりして急激に数を減らし、7月頭の時点で幼果が3個とも健在な果軸は片手で数えられるぐらいしか残っていませんでした(図8-259-4 左側 : 幼果が3個とも健在な果軸の例)。
普通の果軸でも脱落したり、幼果が枯死したりするので、3個の幼果がついた果軸だけが特に減少しているわけではありません。ただ、図8-259-4の左側を見ると、この短い果軸にアベマキのような大きなドングリが3個も結実するのは、隣接する幼果同士が干渉して、互いの成長が阻害されているようなので、あまり好ましい状況とは思えません。もしかすると、こういう事態を回避するために、アベマキは意図的に着果数を2個以下に制限しているのかもしれません。
この個体の結実時期は9月末頃ですが、それまでこの珍奇な果軸についた3個の幼果が、全て無事に成長することを心から祈ってます。