雑記025. 2010. 9.30
“ クリの降る郷 〜 丹波篠山 〜 ”
 先週末、小学校のカルチャースクールでドングリの食育指導をするに当たって、事前に大量のマテバシイのドングリを試食しました(雑記24参照)。採集した場所毎に食べ比べてみると、そこそこ食べれる味のものもあるのですが、大半はお世辞にも美味しいとは言えませんでした。
 私の中で、“ ドングリって不味いんだな〜 ” というイメージが定着してしまっては、今後このHPの読者も含め多くの方々に、自信をもってドングリのすばらしさを伝えることが出来なくなってしまいます。そこで、今回は口直しと言っては何ですが、久しぶりに里山のクリを採集して食べてみることにしました。

 自宅が兵庫県三田市で、近隣に山や林が多いこともあって、クリの木は至るところにあるのですが、ほとんどがゴルフボール大の小さなシバ栗です。味的には大きな栽培種の栗(市販の栗)とほとんど変わらないのですが、やはり殻を剥く手間を考えると、大きい方が食べ甲斐がありますので、大きな栗がたくさん採れる丹波篠山に行ってみることにしました。

 丹波篠山には栗拾いが楽しめるところがたくさんありますが、出来ればタダで思う存分拾えるに越したことはありません。早速、“ どんぐり採集ノート(私が7年前から書き始めたドングリ採集記録ノートです) ” をひっぱり出して来てページを捲っていくと、2005年10月1日の日付のところで、兵庫県丹波市柏原町にある【丹波の森公苑】の敷地内にある通路沿いに点々とクリの木があって、大きなクリの実が一杯落ちていたことが記載されていました。さらにその下には、“ 地元の人が日の出と同時に拾いに来ていたので、日の出前採集が必須! ” とのコメントもありました。ということで、いつもは公共交通機関と徒歩で採集に出掛けるのですが、日の出前に丹波篠山に到着出来る電車やバスがありませんので、早朝4時に自家用車に乗って出掛けました。

 現地に着いたのは5時前ですが、辺りはまだ真っ暗闇です。懐中電灯を手に目的地の辺りまで行くと、ゴロゴロと沢山の栗が転がっていました。連日拾いに来る人がいるようで、殻が至る所に散乱していましたが、中身の入ったものだけを拾い集めると、僅か10分足らずで持参したバケツが満杯になりました。
 採集したクリの中には、私の手の平を覆い隠さんばかりの大きなものもありました。辺りが白み始めて周囲を見渡すと、どのクリの木にも実が鈴成りでした。これからが栗拾いのシーズン本番のようです。

 丹波の森公苑には、他にもたくさんのドングリの樹があります。特に、柏原町の名称に因んでの事だと思うのですが、カシワがたくさん植栽されています。5年前に訪れた時には、高さ1mに満たない幼木が多かったのですが、どれもみな立派に成長して、たくさんのドングリを落としていました。

 夕方、採集したクリを茹でて食べてみると、マテバシイよりはやや甘味があって、食べた後のイゴい感じも全くありませんでした。やはり、クリはスーパーでお金を払って買う商品だけの事はありますね♪
 マテバシイの試食でお世話になった、グルメ猫のルーカス君にも一つ御裾分けしたのですが、今日は御飯を食べた直後だったせいか、クンクンと匂いを嗅いでから、プイとどこかに行ってしまいました。基本的には肉系がお好みなんで、私の差し出す穀物系の試食にばかりは、付き合っていられないのでしょう。

 美味しいクリを食べたことで、これからもみなさんに自信をもってドングリのすばらしさを伝えていくことが出来そうです。