雑記248. 2016.12.13
“ 遠く離れた小さな島にもいました☆ ”
 第2回久米島ドングリ探検ツアーの2日目(11月28日)と3日目(11月29日)、島尻の山道で果皮に不規則な凹凸があるオキナワウラジロガシの堅果を見つけました。これまでの経験から、これらの中に虫瘤があるかもしれないと思ったので、きれいなドングリといっしょに採集しました。凹凸があるものは全部で6個で、自宅に帰ってからそれらを解体してみると、それらの中の1個に虫瘤がありました(図8-248-1参照)。
 これで国産ドングリでは、クヌギ、アラカシ、ウバメガシ
(*)についでオキナワウラジロガシの4種類の堅果に、同じような形態の虫瘤が形成されていることが判りました。
  * ドングリの堅果に形成された虫瘤については、セクション9を参照願います。

 オキナワウラジロガシの堅果に形成された虫瘤は、このHPでこれまでに紹介してきた他の3種のものとサイズや形がそっくりでした(図8-248-2参照)。また、この虫瘤が果皮と種子の間に形成されているところや、虫瘤が種子の成長を阻害していないところも酷似していました。因みに、この堅果の内部には全部で9つの虫瘤がありました(**)
 ** 1つの堅果に形成される虫瘤の数は、樹種よりも個体間での差が大きく、少ないもので数個、多いものだと20個前後です。

 複数個が塊になった虫瘤の1つを切断すると、中から体長が2〜3mm程度の幼虫が出てきました。幼虫の形態についても、他の3種のものと見た目はそっくりでした。以上の点から、寄生する樹種によって種類は異なるかもしれませんが、オキナワウラジロガシの堅果にもタマバチの仲間が寄生すると考えて間違い無さそうです。

 はじめてドングリに寄生するタマバチの存在を確認して以来、ドングリを採集する時には果皮に凹凸のあるドングリに注意を払い、拾ったその場で解体して虫瘤の有無をチェックしてきました。しかしながら、本土ではクヌギ、アラカシ、ウバメガシ以外の樹種で虫瘤を見つけることはできませんでした。そんな訳で、タマバチの仲間が揺り籠に選ぶドングリは、国産種ではこの3種類だけだと思っていたのですが、意外にも本土から遠く離れたこんな小さな島にも、タマバチに選ばれしドングリがあったんですね〜♪驚きです☆