雑記245. 2016.12. 6
“ 第2回 久米島ドングリ探検ツアー 前篇 ”
 11月の中頃、“ オキナワウラジロガシのドングリが落ちてますよ〜! ” と久米島のKさんから嬉しいお知らせがありました。今年の2月に同島を訪れた時(*)には、ほとんどのドングリが既に発根してたので、今回は落下の最盛期に新鮮なドングリを採集すべく、世界文化社の飯田さんと早速日程の調整を図ることにしました。
 ところが、オフシーズンにもかかわらず、大阪から沖縄の那覇経由で久米島に行く飛行機は、なぜか満席の便が多かったので、東京にお住まいの飯田さんとの調整が難航し、最終的に11月27日に私だけが入島し、飯田さんは翌28日に入島して合流することになりました。というわけで、今回は11月27日から30日までの3泊4日で、2度目の久米島ドングリ探検ツアーを決行することになりました。
* 第1回 久米島ドングリ探検ツアーについては、雑記206を参照願います。

 久米島に到着した27日はどしゃぶりの悪天候で、空港から宿泊先のホテルに直行しました。雨は終日止まず、結局この日は探索どころではありませんでした。

 翌28日は、飯田さんの到着が昼過ぎなので、それまで前回訪問しただるま山(北部山岳地帯)と島尻(南部山岳地帯)を一人で散策することにしました。Kさんの話では、11月末の時点で、だるま山周辺の山道にはドングリが落ちていなかったとの事でしたが、だるま山周辺には立派なオキナワウラジロガシの樹が多いので、午前中はここで樹木を撮影しながら飯田さんの到着を待つことにしました。

 前日の悪天候をそのまま引きずったような天気で、午前中は雲が多く、薄暗い林の中での撮影を余儀なくされてしまいました。前日の大雨の影響か、山道(雨天時にはここが一時的に澤になります)にはたくさんの流木が散乱しており、地面はベタベタした赤土が剥き出しになっていました。事前にKさんからお聞きした通り、かなり奥の方まで林道を散策しましたが、やはりドングリは一つも落ちていませんでした。でも、久しぶりに立派なオキナワウラジロガシの樹々に再会できたことで、私はすっかりテンションが上がりました。


 午後に飯田さんが到着されてからKさんとも合流し、事前にKさんがドングリの落下を確認して下さっていた山城地区の山道(南部山岳地帯)に向かいました。ここには、前回訪れた島尻のような山道沿いの川は見られず、降雨による一時的な澤によってオキナワウラジロガシの分布域が形成されているようです。

 Kさんによると、久米島は火山性の岩石が多い地質だそうで、島内の山岳地帯はどこも大きな岩が剥き出しになっているところが目につきました。山城の山道も例外ではなく、大きな岩の横からオキナワウラジロガシの樹が無数に林立しており、岩に積層した落ち葉の上や岩と岩の裂けめにたくさんのドングリが落ちていました。
 特に岩陰には、澤によって流されてきたと思われるドングリが集積していました(図8-245-4参照)。残念ながらこれらのドングリは果皮が既に腐敗しているものや、種子の成長が途中で停止したシイナに近い状態のものがほとんどでした。

 
 山城の山道で採集したオキナワウラジロガシのドングリの中には、堅果長は27〜30mm程度ですが、幅が30mm前後もあり、太さではこれまで採集した中で最大級のものが多く見られました(図8-245-5参照)。


 山城の山道を探索した後、前回訪れた島尻の山道の探索に出掛けました。こちらは豊作とは言えませんが、個体毎にいろんな形のドングリが落ちていました。図8-245-7に採集したドングリの一部を紹介します。因みに、左から3番目が山城の山道で採集した太っちょのドングリです。

 堅い岩の上や舗装された路面に落ちたものは悉く割れていましたが、樹下を覆う枯葉の上に落下したものは、傷の無い美しいドングリが多く、この日だけで上質のドングリが100個以上採集できました。

 28日の成果は以上です。29日の成果については、近日中にリリースしますのでお楽しみに!

(追記)
 ドングリとは全然関係ない話ですが、28日の夕食時に飯田さんからリスのエビフライボックスをいただきました(図8-245-8参照)。これは飯田さんの著書 “ 森のたからもの探検帳 ” (**)に掲載されていたもので、飯田さん自作の逸品です。
 この本の中で、横一列にずらりと並んだエビフライボックスの写真を見て、出版直後に私にも1つ分けて下さいとお願いしていたのですが、ようやく現物を手にすることができました。
** 雑記222を参照願います。

 見た目よりも頑丈に出来ていて、中には3本もリスのエビフライが入ってました♪ このボックスは、外装から内装に至るまで私のために特別に作って下さった一点物だそうです。勤務先の私のデスクに、また一つ素敵な仲間が加わりました☆