雑記241. 2016.11.12
“ ウラジロガシの王様 ”
  シラカシの堅果には量の多少の違いはありますが、基本的に毛があります。中には、堅果全体が微毛に包まれたものも珍しくありません(図8-241-1参照)。一方、シラカシの堅果と非常によく似たウラジロガシにも毛はありますが、せいぜい首から肩にかけて少しばかりあるのが普通です。

 京阪神では、シラカシに比べてウラジロガシの個体数が極端に少ないので、はっきりしたことは判りませんが、これまでウラジロガシにはシラカシのような毛深い堅果はないだろうと思っていました。

 ところが、先日山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] で、へその辺りまで毛があるウラジロガシのドングリが見つかりました(図8-241-2参照)。シラカシのように堅果全体に満遍なく毛が生えているわけではありませんが、所々に毛のない部分はあるものの、首の周辺だけでなくへその辺りまで微毛があるから驚きです。

 
 昨年もそうでしたが、この個体はもともと生りがよくないみたいで、今年もごく僅かのドングリしか結実していませんでした。平均的なウラジロガシのドングリよりもやや大きめで、殻斗は肉厚で頑丈です(図8-241-3参照)。

 重厚な殻斗と美しい微毛に覆われた堅果を見ていると、このドングリには同種の他の個体のものとは一味違った風格のようなものが感じられました。 今後はこのドングリを “ ウラジロガシの王様 ”と呼ばせていただきます☆