雑記239. 2016.11. 4
“ ムズムズしてきませんか? ”
 ウバメガシのドングリで、鱗片の一部が隆起した殻斗をしばしば目にします(図8-239-1参照)。異常に隆起した鱗片は、他のコナラ亜属の殻斗ではあまり見かけませんが、ウバメガシではわりと頻繁に遭遇します。

 ウバメガシで隆起した鱗片がよく見られると言っても、普通は1つの殻斗に数箇所ぐらいがせいぜいです。ところが、先日訪れた高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] には、見ているだけで全身がムズムズしてくるようなウバメガシのドングリがあります(図8-238-2〜3参照)。

 この個体に結実した全てのドングリには、大なり小なり鱗片の隆起が見られます。殻斗全体に一様に隆起していれば、あまり気にならないのかもしれませんが、隆起していない普通の鱗片が混在してるせいで、なんとなくムズ痒くなるのだと思います。

 この殻斗を縦方向に切断して断面をみると、隆起している箇所は鱗片そのものが激しく変形していることが判りました(図8-239-4参照)。鱗片の隆起は、殻斗を紡ぐ過程で生じた単なるNGかもしれませんが、興味深い現象なので、引き続き原因について詳しく調べてみたいと思います。