雑記209. 2016. 5.17
“ こんな果軸があったんだ! ”
図8-209-1は、典型的なアベマキの果軸です。アベマキは長さ10mmに満たない短い果軸に、1個か2個のドングリを結実します。因みに、アベマキとよく似たクヌギについても果軸の形態は全く同じで、両者とも結実数は多くても2個までだと思っていました。
ところが、先日西神中央公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のアベマキを見て、私の想定はもろくも崩れ去ってしまいました。そこには、この春に芽吹いた新枝に、なんと3個の幼果をつけた果軸があったのです(図8-209-2参照)!
しかも、3個の幼果をつけた果軸は、2〜3本の新枝につき最低でも1本はありました。たぶん、果軸が3つの幼果をつけるのは、この個体に特有の形質かもしれません。
ただ、この個体で昨年の春に開花した果軸を見ると、3個の幼果がついたものは1本も見当たりませんでした(図8-209-4参照)。3個の幼果をつけた果軸は、今年の春だけこの個体に出現したのでしょうか。あるいは、毎年出現しているけど、時間が経つと一部の幼果が脱落して、1年後には全て1個か2個の幼果をつけたごく普通の果軸になってしまうのかもしれません。
それにしても、これまでかなりの数のアベマキを観察してきましたが、こんな果軸に出会ったのは初めてです☆ しばらく、この個体から目が離せなくなりました♪ 今後の経過については、あらためてご報告します。