雑記208. 2016. 4.28
“ 新旧両葉のツーショット☆ ”
 ブナ科の落葉樹の中で、カシワは春に芽吹く直前まで枯葉を落とさないことが知られています(図8-208-1参照)。その特性を活かして、北海道沿岸部のやせた土地では、冬期間の防風林としてこの樹を植えています。

 カシワ以外の落葉樹でも、個体によっては春先まで枯葉を落とさないものがあります。クヌギやコナラの場合、幹直径が300mmを超える樹は、すべて落葉するか、あるいは低位置の枝にだけ枯葉を残しますが、幹直径が200mmに満たない比較的若い樹は、春先まで樹全体に多くの枯葉を残したままのものが数多く見られます。

 図8-208-2は、
そんなクヌギの例です。因みに、クヌギとよく似たアベマキでも若木に関しては同じ傾向がありますが、幹直径が300mmを超えるものでは、クヌギと違って枯葉を残した姿はほとんど見られません。

 ただ、このように春先まで枝に残ったクヌギの枯葉も、普通は冬芽が芽吹く前には落葉するのですが、先日訪れた高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] で芽吹きが終わってすでに開花しているにも関わらず、樹全体にたくさんの枯葉を残存したクヌギがありました(図8-208-3参照)。

 4月も末だというのに、未だに樹上に枯葉を残したクヌギは、それほど多くは見かけません。しかも、これだけたくさんの枯葉を着けたまま開花している姿は、ちょっと珍しいかもしれません。ブナ科の落葉樹を代表するクヌギの新旧両葉ツーショットを篤とご覧下さい☆