雑記204. 2015.11.26
“ これは大物です☆ ”
 掖谷公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のシラカシは多様な形態のドングリを結実します。とりわけ、公園の西側道路沿いの個体は、他ではほとんど見られない特異なドングリを結実するので、マニアの私にとっては垂涎の的です。

 ところが、8年前にこれらは一斉に剪定され、その後も度々剪定されたせいで、ドングリが結実しない年がずっと続いていました。いつになったら以前の状態に戻るのだろうと、長い間待ち侘びてきたのですが、昨年の秋にようやく一部の個体でドングリが散見されるようになり、今年の秋、ついに以前の姿に近い状況が再現されました。

 先日、それらに結実したドングリの中に、シラカシとは思えない巨大なドングリを見つけました。図8-204-1の中央のドングリがそれです☆
 これを結実した個体では、標準的な堅果の幅が15〜16mmもあるので、普通サイズでもかなり大きな部類に入ります。その中でも、このドングリは別格で、堅果の幅が20mm近くもあります(図-204-2参照)。

 このドングリのサイズをもっと強調する為に、掖谷公園と同じぐらいシラカシのドングリの多様性が豊かな深田公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] で採集したものをいっしょに混ぜた中にこのドングリを置いてみました。図8-204-3の中央にあるドングリがそれですが、やはり他のものよりも格段に大きいことが判ります。

 因みに、図中の青い矢印で示したものは、今回紹介した巨大ドングリを結実したのと同じ個体から採集した2番目に大きなドングリです。これを解体して中身を確認したところ、種子は1つしか入っていませんでした。たぶん、この巨大ドングリの中にも種子は1つしか入っておらず、多種子の発現によって巨大化したわけではないと思われます。

 前回、雑記203で紹介した扁平なドングリ(図中で黄色の矢印が指示したもの)は、複数の種子を包含したせいで巨大化していました。それを考えると、種子を1つしか包含していないのに、これだけ巨大化したドングリはちょっと珍しいかもしれません。