雑記199. 2015.10.27
“ 丸い♪ しかも、でかい♪♪ ”
 兵庫県神戸市にある掖谷公園には、近隣では珍しくウラジロガシがたくさん植栽されています。たくさんあると言っても10数本ですが、それらが結実するドングリの形態は多様で、ウラジロガシではあまり見かけない球形のドングリ(*)を結実するものもあります。
 但し、これらの中で毎年結実するのは3体だけで、他の個体は過去10年間に1度か2度しか結実したことがありませんが、今年はその滅多に結実しない個体の樹上に、僅かながらドングリの姿が見られました
* セクション2-1のウラジロガシの項を参照願います。

 
 久しぶりに結実したのは、図8-199-1と図8-199-2の2体です。図8-199-1の個体には、やや大きめの卵形のドングリが結実しました。ウラジロガシのドングリは花柱の構造が繊細なので、地面に落下した衝撃でこの部分が簡単に欠損してしまいます。その点を考慮して、今回は枝切り鋏を持参して丁寧に採取したので、かなり状態のいいドングリをゲットすることが出来ました。
 ただ、採取したばかりの時には完全な姿のドングリも、保存目的で加熱処理をしたりそれらを乾燥させる過程で、残念ながらほとんどの花柱が欠損してしまいます。
 そんな訳で、ドングリを可能な限り完全な姿で保存したい私にとって、ウラジロガシは最も扱いにくいドングリの一つといっても過言ではありません。
 

 
 一方、図8-199-2の個体には大きな球形のドングリが結実しました。2008年の秋に、ここで初めてこのドングリを目撃してから、実に7年ぶりの再会です。前回は、採集時期がやや遅かったので、ドングリは全て落下していましたが、今回はほとんどがまだ樹上に残っていました。このドングリも枝切り鋏で丁寧に採取したので、花柱の欠損を最小限に抑えることが出来ました。
 この球形のドングリは、50個ぐらいしか結実していませんでしたが、数が少なかった分、1個当たりに分配された養分が多かったせいか、1つ1つのドングリは申し分ない立派さでした☆☆