雑記197. 2015.10.15
“ ありそうで、ないんです ”
 一昨年の秋から3年連続で、高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のほとんどのコナラが豊作です。ここのドングリは形態の多様性も素晴らしく、この季節にここを訪れると、一般にコナラに見られる豊凶の年格差が何かの間違いではないかと思えてきます。


 今回、高塚山緑地で大量に結実したコナラのドングリの中に、ずっと以前から樹種を問わずに探し続けてきたあるものを見つけました。それは、殻斗に小さな葉っぱをつけた、ちょっと洒落たドングリ(図8-197-2参照)なんです☆

 図8-197-3にある殻斗から伸びた短い果軸の先に小さな葉がついたものなら、しばしば目にしますが、殻斗の付け根に小さな葉がついたものには、なかなかお目にかかれませんでした。

 この小さな葉は、コナラの雌花序の脇にあった苞葉が大きく成長したものです。雌花が開花してから1〜2ヶ月ぐらい経つと、ほとんどの苞葉は枯れ落ちてしまいますが、稀に2ヶ月が過ぎても成長した苞葉が残ることがあります(*)。但し、成長したドングリの殻斗にまで苞葉が残っているケースは、今回が初めてです。小さな葉っぱがついたミカンみたいで、とてもかわいいでしょ♪♪
* セクション21の3項、8項を参照願います。

 みなさんも、この時期にじっくりとドングリの帽子(殻斗)を観察してみて下さい。小さな葉っぱがついた殻斗ぐらいどこにでも有りそうに思えるのですが、意外に見つからないことに気づくでしょう。