雑記193. 2015. 9.20
“ 群れをなすカシワのドングリ ”
兵庫県神戸市のポートアイランドにある港湾緑地南公園では、カシワのドングリの落下が終盤を迎えつつあります。同園には、全部で10体余りのカシワが植栽されていますが、これらのドングリの形態のバリエーションは非常に豊かです。
昨年に引き続き結実状況は良好でしたが、今年はちょっと珍しい光景を目の当たりにしました。
カシワのドングリは、大きな葉に囲まれるようにして新枝の先端付近に立つ果軸に普通1〜3個が結実します(図8-193-2参照)。 ただ、個体によって果軸や雌花の数は大きく異なるので、もっとたくさんのドングリが結実しても不思議ではありません。
これまで、私が観察してきたカシワの果軸はどれも1〜3本ぐらいでしたが、そこに咲く雌花の数は多いものだと1本当たり6個もありました(図8-193-3参照 : 右側の4〜6は成長途中で落果した痕跡を示す)。ですから、単純に計算すると、枝先には最大で18個のドングリが結実することになります。ただ、それらの多くは不稔のため、現実的にはせいぜい3個ぐらいしか結実しないのだろうと思っていました。
ところが、今年訪れた同園のカシワの樹上には、あちらこちらで枝先に4〜5個のドングリが群れを成していたのです(図8-193-4参照)。
この個体では、4〜5個のドングリが群を成す姿が当たり前で、最も群ていた枝先には9個もありました(図8-193-6参照)。これには、さすがにビックリしました。カシワの場合、1個や2個のドングリが枝先に結実していても、大きな葉っぱに隠れてあまり目立たないのですが、1箇所にこれだけ群れていると、ドングリの存在感が半端ないです☆
(追記)
後日、枝先に9個のドングリが結実した個体の樹下を調べたところ、それまで1本の果軸に結実するドングリはせいぜい3個までだと思っていたのに、4個も結実した果軸がたくさん見つかりました(図8-193-7参照)。右側の果軸は、左側の果軸を裏返して撮影したものです。実り豊かなこのカシワに、私は心底脱帽しました!