雑記190. 2015. 9. 6
“ これって、三度栗ですか? ”
 大阪府枚方市にある山田池公園には、栽培種や野生種のクリの樹がたくさんあります。それらの中で、昨日花と果実が同居している個体を見つけました(図8-190-1参照)。

 ブナ科の植物の季節外れの開花現象については、これまでにマテバシイ、スダジイ、ウバメガシ、コナラ、ナラガシワの5種類で確認しています(*)。これらは、一般にあまり知られておらず、樹種によっては極めて珍しいものもあります。
 ただ、クリに関しては、 “ 三度栗 ” というシバグリの一品種 [
学名 : Castanea crenata cv. ] が、夏から秋にかけて繰り返し開花することが広く知られており、全国各地で多くの事例が報告されています。今回私が目撃したものも、たぶんこの三度栗だと思います。
* セクション22を参照願います。

 季節外れに開花するマテバシイやスダジイは、夏から秋にかけて同じ個体で繰り返し開花することはありません(**)が、開花の時期によって花序の形態に顕著な差が認められない点については、このクリと同じでした。
** 後日、マテバシイで夏から秋にかけて2度、3度と開花を繰り返す個体が見つかりました。詳細は、雑記294を参照願います。