雑記189. 2015. 9. 1
“ 濃い〜ウバメガシ ”
 ウバメガシの果軸には、普通1〜2個が着果します(図8-189-1参照)。ときどき3個のものも目にしますが、前者に比べると数は少なめです。

 ところが、先日明石公園 [ 所在地 : 兵庫県明石市 ] でウバメガシを観察していたら、1本の果軸に4個の幼果が着いた果軸を見つけました(図8-189-2参照)。4個の幼果が着いた果軸は、樹上の手が届く範囲で2本だけでしたが、3個の幼果が着いた果軸なら数えきれないぐらいたくさんありました。1本の果軸に幼果が4個も密集していると、隣接する殻斗同士があたかも合着しているかのように見えます。

 一方、この個体で今年の春に開花した幼果をチェックしたところ、樹上の手が届く範囲で4個の幼果が着いた果軸が8本も見つかりました(図8-189-3 右下参照)。どうやら、1本の果軸にたくさんの実をつけようとするのは、この個体に特有の形質みたいです。


 余談になりますが、7月下旬に大阪府立大学 [ 所在地 : 大阪府堺市 ] の構内で、前年の秋に開花したウバメガシの果軸を見つけました(*)。秋に開花するウバメガシは、服部緑地公園 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] の2体と山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] の1体に次いでこれが4体目です(図8-189-4参照)。
 因みに、秋に開花したウバメガシの果軸は長さが20〜60mmもあります。また、1本の果軸には10個前後の幼果が着きます。

* 季節外れのウバメガシの開花については、セクション22を参照願います。