雑記183. 2014.11.23
“ ウバメガシの堅果に見られる激しい凹凸 ”
 表面に小さな凹凸が見られるドングリの中には、多くの場合、タマバチの仲間が形成した虫瘤が入っています。これまでに様々な樹種のドングリについて調査してきた結果、少なくともクヌギ、アラカシ、ウバメガシの3種類でその存在が確認出来ています(*)

 先日、高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市西区 ] を訪れた時に、多くの個体からウバメガシのドングリを採集したのですが、それらの中には表面に激しい凹凸がある堅果がたくさん含まれていました(図8-183-1参照)。
* 調査結果の詳細については、セクション9を参照願います。

 それらを解体して果皮の内側を見てみると、案の定タマバチの仲間が形成した虫瘤が入ってました。ただ、以前に服部緑地公園 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] や荒山公園 [ 所在地 : 大阪府堺市 ] で採集した堅果の中には、普通1〜2個、多いものでも3個しか虫瘤が入っていなかったのですが、今回採集したものには8〜13個も入っていました(図8-183-2参照)。

 クヌギやアラカシでは、虫瘤が10個以上入っているものが普通だったので、同じタマバチの仲間でも寄生するドングリの種類によって虫瘤の数に差があるものだとばかり考えていたのですが、これは単にタマバチの生息域による個体差なのかもしれません。

 
 一方、これらの堅果に形成された虫瘤を解体したところ、タマバチの幼虫といっしょに、以前目撃した別の種類の幼虫も出てきました(図8-183-3参照)。HPの読者によると、これはタマバチに寄生するタマヤドリコバチの仲間ではないかとの事
(**)。因みに、この幼虫はクヌギやアラカシの虫瘤では見たことがありません。

 今回、大量にドングリを採集したので、タマヤドリコバチの仲間と思われる幼虫がどの程度の割合で寄生しているのか調べてみました。ウバメガシの3つの個体から採集してきたドングリを4つずつ計12個を解体し、その中に含まれる合計122個の虫瘤から幼虫を取り出しました。その結果、なんと全体の3割以上に当たる38個の虫瘤からこの幼虫が出てきました。こんなに寄生されてたんでは、同業者のタマバチも堪ったものではありませんね♪
** 雑記064を参照願います。